水を飲むと認知症にならない。水を失うと体内の循環がおかしくなります。
認知症の解消・予防・改善に水を飲むことの大切さが研究されています。介護ケアをする上で、水をできるだけ飲んでもらうのは大切な様子。
「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」という著書で有名な「国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授」がメインで提唱していますので、テレビや雑誌でお読みになった方も多いと思います。
認知症にならなくても、高齢になると水を飲まなくなります。トイレが近くなる・水を飲むとむせてしまう・欲しいと思わないなどがその理由。
でも、人間の身体は、水分が必要なようにできていますから、水を飲むことは生きるために大切な事です。
認知症を防ぐには水を飲むこと
人間は60から70%が水分。血液をはじめ筋肉・骨といった個所にも水が含まれています。ところが高齢になると55~50%近くに減ってしまいます。お年寄りの肌は、若い頃に比べると皺ができてみずみずしさを失いまうす。これは、体内の水が減ることに繋がっています。
●高齢者と子供・赤ちゃんでは、肌に含まれる水分量が明らかに違います。
水の働きについて社団法人認知症高齢者研究所のウェブサイトで確認してみましょう。
実は水の働きは体内のタンパク質の構造を支えているわけで、水はタンパク質など生体分子を溶かす※溶媒として働くとともに、※溶質の分子またはイオンなどの周囲に数個の水分子を引き付けて結合し、一つの分子集団をつくる「水和水」を行っているのです。
そして、この水和水がないとタンパク質は本来の機能を発揮できなくなってしまうのです。つまり脱水傾向にある認知症の人は、脳内で不要なたんぱく質が卵の白身のように凝固してしまうということです。認知症の人にやさしいケア
水が支える体内環境
- タンパク質の構造を支える
- 細胞を保存する
- 水・血液は、酸素や栄養物を運び、体内の毒素を排出
- アルツハイマー型認知症のβアミロイドも髄液が排出
- 脱水によるせん妄や夕暮れ症候群を防ぐ
- 熱を蓄えて体温を安定させる
- パーキンソン症状の悪化
- 体温と汗の機能が狂い自律神経も狂う
- 体液の循環不全を起こす
水を飲まないと認知症どころか、様々な症状の悪化を起こします。若い人でも熱中症や脱水症状を起こして救急車に運ばれる事例は良く起こります。
水不足で起きること
脱水症状になると、汗が出なくなり体温が上昇。汗や尿から出る老廃物の排出もできなくなり、血液もドロドロになって流れにくなります。最悪の場合、全身の生命維持機能に問題が出て死んでしまいます。
体重の約2%の水を失うと、渇きや食欲不振になります。約6%不足すると頭痛や眠気・情緒不安定に陥ります。そして10%足りないと筋肉痙攣・循環不全や腎不全を起こします。20%不足すると死亡してしまうと言われています。
そして、冒頭にご紹介した竹内教授の著書の目次は以下の通り。
- はじめに たくさん水を飲めば、ボケは寄りつかない
- 第一章 認知症はどういう病気なのか
- 第二章 ドロドロ血がボケを引き起こす
- 第三章体調をよくすれば、認知症は治る
- 第四章 認知症は脳ではなく、心の病気
- 第五章 日本の介護はこんなにお粗末
実際、私の父も、入院してすぐの時は脱水症状で点滴を受けていた。また、水だけが原因ではありませんが、せん妄の症状も見られました。
点滴でも必要な水分は取れるとの病院の説明でした。症状が治まってから水を飲む・ご飯を食べる・リハビリでの運動をきちんとするようにしています。
水分摂取量のバランス:どれくらい水を飲む?
人間、身体の大きさなどによってさまざまですから、一概には言えませんが、75歳の方で1日の排出量が2.3リットル。食事から0.8リットル・飲み水から1.5リットルが平均的。後は、個人の体格・運動量・気候などにあわせて調節ください。
また、水素水が認知症に効果ありという研究も行われていますが、無理に水素水を飲む必要はないと思います。普通の水をお飲みください。
ミネラルウォーターでもいいですし、浄水器を使ったり、備長炭で水道水をろ過する方法もあります。安くて楽な方法を選びましょう。高齢で水を飲みにくい方は、とろみをつけたり、吸い飲みなどを利用してください。
水は重いので無理して運ばずに、配達や通販を利用しましょう。