介護以前の親の心と体。親の本音を知れば心が楽になる
わかってあげよう 介護以前の親の心と体。文京学院大学教授の下仲順子先生の本。
親の心子知らずという言葉もあるように、親と子の心がすれ違うこともしばしば。両親は、元気で子供も社会人として独立している間は、お互いの干渉も少なめ。
そして、いざ、介護するとなった時に、すれ違いで、親子の心がイライラ・ザラザラしてしまいます。
わかってあげよう 介護以前の親の心と体
下仲先生は言ってくれます。
そもそも親子関係というのはムズカシイものです。高齢期の親といい関係をつくろうと思ったら、まず、子供が先にその間違った思い込みに気づき、年をとるとはどういうことかを正しく理解する必要があるでしょう。
早くお迎えが来てほしい。この言葉は、年取った親の口癖。介護している人は良く聞きます。最初は、そんなこと言わないで・長生きしてねと答えていた子供も、だんだん、疲れてきて、本気で怒ったり、相手しなくなったりしてしまいがち。
親の方もかまってほしかったりするだけで、子供を困らせようとしているわけではありません。そんな親の気持ち・本音が分かれば、介護する側の気持ちが楽になるのではないでしょうか。
私も、趣味を持った方がいい・生きがいを持った方がいいと思っていました。でも、親の気持ちとしては、年齢に応じた楽しみ方もあるし、自分のペースがあります。
かつては、子供に無理強いしていた親の生き方や趣味。それが嫌だったという方もきっといらっしゃると思います。ならば、親にも強制しない方がいいはず。
あなたのためを思って、うるさく言い過ぎれば、ありがた迷惑になり、親子関係にもひびが入ります。下仲先生が言うように、21世紀の高齢者は老いても自分に従えが新常識かもしれません。
下仲順子(しもなかよしこ)は、この本以外にも「老人の心理が分かる本」などの著書を持ち、高齢者心理学という新たな分野を切り開いたパイオニア。
親の気持ちがわからない・いつも喧嘩ばかりと、親を介護する上で悩んでいる方におすすめの本です。