老々介護体験:パーキンソン病にかかった元新聞記者の柳博雄さん
柳博雄さん(元朝日新聞記者)は、老老介護体験をエコノミストに執筆しています。病状はパーキンソン病。
2009年4月初めに身体に違和感を感じたのが最初で、2か月後には歩けなくなり入院する状況へと病状が進行。
退院後には、奥さんによる老老介護がスタート。
柳さんの記事によるとパーキンソン病は、常に身体がしびれている状態。しかも、薬の副作用で前後左右に身体が揺れる。
介護は、三度の食事に薬の用意・病院への往復を行うことになり、5年後には寝たきり状態となるヤール重症度V。そんな生活の中で、2015年初めごろには奥さんの身体が限界を迎えた。
さすがに、限界だということで、2016年9月からショートステイ施設にいるそうです。
記事内では、介護保険は実質的に掛け捨てで、憲法の保障する生存権はどこに・・・という話がメインになっています。
ただ、現在の世代は年金をそれなりに貰えており、政府の基礎的財政収支は赤字。年金にほとんどの財源を持っていかれてしまい、資金が足りない現状では、支援に限界があります。
柳さんの記事で気になるのは、現役及び退職後も自分優先で、妻が旅行に行きたいという願いに全く応えていないこと。これに関しては、本人も猛反省しています。介護される側の男性は、我がまま・頑固・というのが通例のようになっています。もちろん一つのパターンにはめるのは良くないこと。
「あなたは、一人で自分の人生を歩いてきたつもりなのでしょう。最後までそれを貫きなさい」
誰しも、病院や施設よりも自宅が一番。介護される側の意思を組むならば、在宅介護がベストの選択でしょう。しかし、介護される側にも生活があります。
記憶力の衰えやメモが出来なくなったお年寄りは、思いついたこと・気になることはすぐに話したくなります。そうしないと忘れてしまうから。でも、その相手をする介護側は大変。仕事・掃除・料理と何をしていても呼ばれて中断するので気が休まりません。
そして、夫婦間の問題。柳さんのケースでも妻に申し訳ないという気持ちを反省されていますが、そろそろ介護する・される時期に入りそうな夫婦は、ぜひ、感謝の気持ちを伝えるとともに、二人の思い出作りをたくさんしておいてください。パーキンソン病・認知症・身体の問題でいつ動けなくなるか分かりません。
その時に、いい思い出があれば、介護する側・される側ともに、気持ちが楽になるでしょう。